免責事項とは?


免責事項とは?



質問に『HPに免責事項を掲載しております。
利用者及び販売者はアクセスいたしましたので、
同意したこととなるのですが、
この免責事項は法的には契約書と同じと考えてよいのでしょうか?』
この件に関して調べてみましたので掲載します。


情報提供系やショップサイトの下のほうに
免責事項についてのリンクがあるのはかなり一般的です。
ですが、この免責事項、実はどのような法的効力を持つのか、
という点について疑問を持たれる方も多いと思います。
今回はこの免責事項を中心に説明をしてみましょう。
今回は法律が絡んでいるものですから内容は少し難しいかもしれません。


契約とは

さて、免責事項について説明する前に、まずは契約についてお話しなくてはなりません。
契約とは一言で言えば、契約を行うもの(契約当事者)間で交わされた約束のうち、
法律によって保護するに値するものをいいます。
民法では契約の態様によって13種類の契約が定められていますが
(例えば何か物を売買する契約の場合のように一方が物を渡し、
一方が代金を払うという契約は双務契約、
一方だけが義務を負う契約を片務契約といいます。)、
基本的には契約はお互いの意思の合意によって成立します。
契約を結ぶと契約当事者間には権利と義務が発生し、
その権利を債権、義務を債務といいます。
では契約はいつ成立するのでしょうか?
契約は「申し込み」をして相手が契約につき「承諾」した際に初めて成立します。
従って、別に契約書が存在しなくとも、
口頭による意思の合致のみで契約は成立するのです。
ただ契約はあくまで両者の意思の合致がなければ成立しません。


免責事項とは

実は免責事項という用語そのものについては民法上定義されていません。

では免責事項とはどういった性質のものなのでしょうか?
通常、免責事項は例えば契約書の一部として
条項を定めている場合がほとんどですが、
通常私人間で交わされる契約のほとんどは
契約当事者間の合意すべき項目を列記した
「約款による契約」です。
民法では契約当事者間の意思を尊重しているので、
約款に消費者が不利になる条項があっても、
法律上絶対に守らなければならない「強行規定」でない限り、
当事者間の合意が優先されます。
つまり免責事項とは当事者同士の約款のうち、
サービス提供者が責任を免れる事項についての
具体的な定めを行った条項ということが出来るでしょう。
そういった意味では免責事項は立派な契約書と捉えることが出来ます。


免責事項の一般的な内容について

通常、ネットにおける免責事項についての記述には一般的にこのような
内容が述べられているというパターンがあります。
最も正確に権利義務を明らかにするならば
(そのほうが法律的なトラブルを回避しやすいでしょう)、
まず免責の定義を述べ、次にサイトの利用条件を述べ、
利用者と管理者側の責任の範囲を明記すべきでしょう。
この範囲が明確でない場合、問題が複雑化する可能性があるので注意が必要です。


免責事項の合意について

初めに、サイトにアクセスしたことによって免責事項に
記載してある内容に合意したとみなすとしていますが、
この解釈はあまり正確な解釈であるとはいえません。
契約はあくまで両者の意思の合致ですから、
サイトにアクセスしただけで即合意があったとみなすのは無理があります
(サイトにアクセスしただけでは利用者は時系列的に考えても
免責事項を知ることは無理であるという点には注意が必要です)。
あくまでサイトにアクセスしたユーザーが契約内容を見て、
サービスの提供を断るか受けるかを自らの意思で
決定できなければ合意があったとはいえません
(契約に瑕疵があったとされかねません)。

理想としてはサイトのトップページに
免責事項に同意できる方のみお入りください等のリンクを設けるべきでしょうが、
それではデザイン的にも問題があるでしょう。
免責事項を別ページにリンクさせる場合、
「本サービス・または情報を利用する場合、以下の免責事項に同意したとみなし、
個人の責任において利用するものとする」
と加え、

あくまで免責事項に対する承諾を(黙示的に)行った場合、
サイトのサービスを利用できるというようにすれば問題はないでしょう。
つまりサイトにアクセスしただけで免責事項に同意したとはせず、
サービスの利用をもって初めて免責事項に同意したものとすれば、
利用者はサービスの利用前に免責事項を確認することが可能な訳ですから、
免責事項の存在に気づかなかったと相手に
契約の瑕疵を主張されたとしても相手の重過失をもって対抗できるでしょう。


免責事項の効力が否定される場合について

さて最後に免責事項の効力ですが、最近の判例の流れからすると、
たとえ免責事項に責任の免除を記載してあっても、
それが名誉毀損に関わるもの、公序良俗に反するもの、
信義誠実の原則に違反するものについては
管理者の責任を問われる可能性があることについては注意が必要です。
まあ、そうしたコンテンツについては掲載しなければ問題ないとは思いますが。
以上にだけ注意していれば問題はありません。












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